数年後には、東京を含めた全ての自治体で人口が減る
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) [ 河合 雅司 ]
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) [ 河合 雅司 ]

少子高齢化社会が到来する、マスコミなどで盛んに報道され耳にしていない方はいないと思いますが
実際問題、少子高齢化がどのようなことを指し、これから起こる未来において何が問題なのか
きちんと把握している人は少ないように思えます
本著の冒頭、政府関係者や議員さんの発言が掲載されていますが、全くもってトンチンカンで、だいたい少子高齢化に
歯止めをかけるって、今からどないすんねんって心から思うことも多々あったりします
ちょっと前の都議会でも子どもを産めないのかなどと発言して問題になっていましたが、そもそも議員の少子高齢化に
対する考えってこんなにも浅はかなものだったのかって、悲しくなりましたね


晩婚化、将来の日本のことなんか考えていられないよってお思いの人もいるかもしれませんが、この問題は日本の問題で関係ない人なんていないんですね
まずは、今の日本で何がこれから起きると推測されていて、このままだと当たり前のようにあった行政サービスや財政面での
支援などはなくなってしまうことを自覚し、では、どのようにしたらよいかここには答えはないわけですが
頭の中を柔軟にして、かつて世界が経験し得なかった人口減少の時代にひとりひとりがきちんと向き合っていく
そのきっかけになる一冊で、大変参考になる内容でした



単純に少子高齢化は何が問題なのか今取り上げるべきは、人口の絶対数が激減したり、高齢者が激増したりすることによって
生じる弊害であり、それにどう対応していけばよいかである(P.6)
AIで人口減少の弊害を何とかしようったって、すべてをそれに置き換えるのは難しいですし
システムとして、日本という国の在り方を考え直すいいきっかけになっているのではないかと思います
実は、日本の人口はすべに増加から減少に転じていますからね
首都圏の鉄道でも、一部はダイヤ改正で徐々に本数を減らし始めたなんて話も聞きます
満員電車ばかりクローズアップされ、それはそれでなんとか解決してほしいものなのですが、郊外では高齢化が表面化しており
悠長にもしていられない現実がありますから、先送りせず問題解決に向けて取り組みたいものです



まぁ、誰だって楽しくないことからは逃げ出したいですからねでも、この膨大なインフラをどう維持するのか
私たちはこのまま次世代にそのことを丸投げするだけで本当にいいんでしょうか
高層ビルから都心を眺めると、本当に多くのビル群が立ち並び、夜になるとライトアップされ夜景がきれいだねーなんて
ことになりますが、千代田区でも中央区でも、ちょっと下町の昔ながらの街に行ってみると、もうボロボロの建物って
本当にたくさんありますからね、ここは本当に東京都なのかって不思議に思うくらい
現実問題、これはひとりひとりが直面している大問題なんだって読みながら改めて感じさせられました



感じ方は人それぞれなのかもしれませんが、お子さんがいる方は他人事のようには思えないでしょうし
ひとり暮らしをされている方も、このままずっと今のままで過ごすことが不可能であることを読み進めていくと
感じることができますので、イヤなことからも避けて通らず、キチン向き合っていくことに重要性を見出していきながら
私は結構、スラスラと自分ごとのようにして読み終えましたね


第2部に、著者が提言する日本を救う10の処方箋が記載されています
1「高齢者」を削減
224時間社会からの脱却
3非居住エリアを明確化
4都道府県を飛び地合併
5国際分業の徹底
6「匠の技」を活用
7国費学生制度で人材育成
8中高年の地方移住推進
9セカンド市民制度を創設
10第3子以降に1000万円寄付


内容は本著を参照いただくとして、24時間社会からの脱却なんていいんじゃないでしょうかねぇ~
一部の都市だけにして、住宅地なんかいらないでしょう
そりゃぁ、24時間営業やってもらったほうがサービスはいいに決まっているのですが、絶対数労働人口が減るわけで
いちいちどこもかしこも24時間営業の店にする必要はないかもしれませんね
あと、お正月3が日もみんなで休みたいですね、法律か何かでできないですかねぇ~
どうしても営業したいお店はまぁいいとして、私もお盆とお正月働いていた経験がありますが、
まぁ尋常じゃないくらい忙しいし疲れがたまるし、個人的に24時間社会からの脱却でいいんじゃないかと思いました

あと、第3子以降に1000万円寄付もいいですね財源どーするのって言われそうですが、とにかく子ども産む前も
産むときも産んだあとも費用かかりまくりなんですよねこれは経験者でしか分からない
産婦人科も、サービスが無駄によくなってきている気もするのですが、ひとり産むのに100万円とかやってらんない
いくら補助が出るからといって、全くもって賄えないし、1000万円寄付がいいかは議論の余地がありますが
子育てにかかる費用は、ホント、何とかならんですかねーっていつも思います
子どもが足かせになっている現実は、何としても避けたいですが、現状はお金を積んでも保育園の確保も難しいですから
国会議員が公用車で保育園に預けていて賛否両論、議論を呼びましたが、怒る人の気持ちも分からなくないですね
現実、子育てしにくいですもん



前の職場で休みのときに「少子高齢化って言ったって、オレ、一人もんだし関係ないもんね」って言い放っていた人がいましたが
そんなあなたも大いに関係があることを、この本で知っていただければ、まずは第一歩ですかね





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